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デジタルコンパスの精度について

国土交通省が行う地籍調査の中で、山村境界保全事業に“デジタル方位計”こと“デジタルコンパス”の使用が制限付きで認められることになりそうである。当社は森林測量においては、GPSは万能ではないという経験に基づいた考えから、いち早くデジタルコンパスを使用した森林測量システムを開発提案して来た。このコンセプトが、一部でも認知されたのであれば、喜ばしいことである。しかしデジタルコンパスといっても機種選別には苦労した経緯がある。今回はデジタルコンパスを使用する場合の注意と精度について説明する。今後デジタル方位計を使用される一助になればと思う。

コンパスの精度を検証する方法は下図のようなコンパス路線を測量して、座標閉合差をチェックする方法が手っ取り早い。この方法では絶対方位の精度は検証できないが、360°が正しく分画(目盛)されているかの確認は可能である。測量結果には距離測定と一般的な測量誤差も含まれるが、精度を支配する最も大きな要因はコンパスの精度と言える。精度は(閉合差/全水平距離長)で表される。

閉合コンパス測量による精度点検

出発点Sから閉合路線をスタートし、最終点Pから、出発点Sを測定する。路線の計算された最終点位置Qと出発点Pの位置の差(赤)が閉合差である。観測の良否の判定に使われるが、コンパスの分画精度が正しくないと、安定した良好な精度は得られない。但し、この方法ではコンパスの持つ定誤差は検出できない。

当社では下記のようにポケットコンパスの方位を基準に、分画と絶対方位を検査する装置を用意している。この装置は、コンパスを販売したお客様から、時折コンパス測量の精度不良の問合せが寄せられるため、検査の必要を感じて当社で作成したものである。

コンパスの検査装置検査は室内では行えないため、必ず磁場が安定している屋外で行う。コンパスは構造上水平にして使用するタイプ(右)と、仰俯角測定ではコンパス自体も傾斜する(傾斜補正機能付き)タイプがある。前者では45°方向ごとに8方向を点検する。後者の場合には、前者の検査方法に加えて、目標を仰俯角それぞれ±45°に想定して鉛直線上の3方向が精度範囲内かを点検する


Impulse200とMapSTARの検査風景


  • コンパスのキャリブレーション

精度が良好なコンパスであっても、使い方を誤ると精度が出なくなる。このために各メーカでは、使用前に必ずコンパスのキャリブレーションを実施するように推奨している。殆どのコンパスでは磁北を検出した後に、時計回りに1周する方法である。慣れないと面倒な儀式であるが、必ず行って欲しい。

  • キャリブレーションの意味と注意点

キャリブレーションはコンパスに正しい4方向を教える儀式と考えて欲しい。これはコンパスを360°回転させることにより、コンパス自身と一緒に回転する磁気に影響ある電池やケーブル類の影響を排除し、正しい4方向を検出するための重要な儀式なのである。従って可能な限り実際の使用状態に近い形で行うことが重要である。またキャリブレーションを行う場所は、実際に使用する場所で行うことが望ましい。

  • GPS測量との併用について注意点

GPSで測定した座標系の方位基準は真北を基準とした方向角である。コンパスの場合には磁北を基準とした方位角であるため、日本ではコンパスで測定した方位角の方が、GPSによる方向角よりも6°から9°位大きい。これは地磁気の偏差に起因している。この値は先に示した閉合コンパス測量では、図形全体が偏差分だけ回転するだけなので、コンパス測量精度には影響がない。しかし、GPSで測定した基準点間を結合トラバースとして測定した場合、磁気偏差を正しく設定しないと、見かけ上の精度不良という結果を招くことになる。磁気偏差は国土地理院のHPに緯度経度入力して求められるが、最も確かな方法は、信頼できる既知点間の方向角を計算し、コンパスで観測した結果がその角度になるように“補正定数”を設定する方法である。この補正定数はコンパス自体に設定できる機器が多い。或いは使用するソフトウェアで対応するなどの方法がある。

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