SA解除における考察
すでに皆様ご存知の通りSA(精度の意図的劣化)は解除となり、ホワイトハウスからは以下のような趣旨のコメントがなされました。
●ホワイトハウスの発表内容について。
- SA解除は日本時間5月2日13時に実効となった。
- SA解除により、測位精度は最高10倍高まる。
- 世界中に提供されているGPSサービスはこれからも無償で行われる。
- ゴア副大統領が中心となり進められている最大18機の新型衛星配備を含む近代化計画に予算を拠出する。
- SA解除が米国の国防体制に何ら影響を与えるものではない。
- 今回の決定は民間での利用に、汎地球的な効用をもたらすものである。
その後いろいろな機関・民間企業がさまざまな実験結果等をウェブサイトにて発表しています。とりあえずここまで明らかになった内容についてまとめてみます。
- SA解除により単独測位の精度は10倍程度高まる。測量業務で利用されているような高価な受信機ではSA解除後で6-7m(95%の点が入る半径)というような発表が多い。
U.S. National Geodetic Surveyの発表ではAshtech社のZ12というボードを利用し24時間観測した結果は、SA解除前が45m(95%の点が入る半径)、解除後にはそれが6.3mとなっている。
運輸省電子航法研究所ではNovAtel社のRT-20を使用した結果では、SA解除前が36m(95%の点が入る半径)、解除後はそれが5.6m。ただし短時間の観測。
- スタティック測量、DGPSではあまり結果は変わらない。
建設省国土地理院「有珠山のページ」でも、あまりスタティック測位の結果は変わらないようである。
当社G12での実験結果でもDGPSの結果はあまり変わっていない。
- レジャー用のGPS受信機ではDOPが1より小さいような最良の環境では10m以下の精度が期待できるようである。
海外のGPSニュースグループにのっていた記事によると、ガーミンで実験した結果
DOP
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95%の点が入る半径(m)
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1.0
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8
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1.5
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12
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2.0
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16
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3.0
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24
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3.5
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28
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- 受信機によっては内部的にフィルタリングなどの処理を行い、95%の点が入る半径が小さくなるように見える受信機もある。必ずしも定点での観測による点のばらつき具合が受信機のいわゆる「性能」を表すものであるとは言えない。
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