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仮想フェンスはVERTEX Plus首輪の標準オプションで、特定の区域(例えば国立公園や人の住む場所、一定の植生のある領域、他の動物の行動域など)を設定することができます。これを設定することで、仮想フェンス用のGPS測位スケジュールを設定して設定区域内では測位回数を増やしたり、動物が設定区域に出入りした際に無線通信を使用してアラートを発信するといった動作も可能になります。仮想フェンス機能は、野生動物と人間が遭遇しないための予防措置にも利用できます。

利用方法

仮想フェンスを囲う各点の座標を指定するか、もしくはGoogle Earthのポリゴン作成機能を使うことで、仮想フェンスを作成することができます。仮想フェンス設定は、こうして作成した仮想フェンスと、仮想フェンスイベントが発生した際に行う動作との組み合わせで構成されます。

首輪がGPS測位を実行すると自動的にそこが仮想フェンスの中か外かを判別し、首輪内部のメモリに記録されます。またその際、オプション設定に従い、GPS測位スケジュールを切り替えます(例:仮想フェンス内の場合にはスケジュールの間隔を狭める)。衛星通信オプションを搭載した首輪の場合には、仮想フェンスへの出入りについての通知をEメールでほぼリアルタイムに受信することもできます。

仮想フェンスを作成する際には「参照点」の位置を決定する必要があります。この「参照点」がある側が、仮想フェンスの「内」となります。たとえば、100メートル四方の囲みを仮想フェンスとして作成したとして参照点を囲みの外側に配置した場合、「仮想フェンスの内側」は「囲みの外側」ということになり、「仮想フェンスの外に出た場合」に仮想フェンス用GPSスケジュールを設定していた場合は「囲みの内側に入った時」が切替のトリガーとなります。

調査対象の動物の生態に合わせて、複数のポリゴンを使って仮想フェンスを設定することも可能です。仮想フェンスの設定は、有線接続以外でも首輪に適用している無線通信(UHF無線通信、GSM、イリジウム衛星通信)を利用してアップロードできます。

仮想フェンスはまた、特殊な移動パターンの観察のために複数のスケジュールをあらかじめ設定しておくこともできます。5種類あるスケジュール切替のトリガーにはそれぞれに優先順位が決められており、トリガーの条件に当てはまっている状態が続く限り切り替わったスケジュール設定が適用され続けます。

使用例

  • 生息地の観察:生息地でどのような活動を行っているかを詳細に観察するために、水辺や植物地帯などでGPS測位スケジュールの測位間隔を短くします。
  • 他の動物との関わりの観察:観察対象の動物が同種または獲物となる動物のなわばりに入った際に、GPS測位スケジュールの測位間隔を短くします。接近感知センサーと組み合わせることで、さらに観察の精度が高まります。
  • 人と野生動物との関わり:人の住む地域や家畜の放牧場に調査対象動物が近付いた際に、GPS測位スケジュールの測位間隔を短くします。衛星通信オプション搭載の首輪の場合には、エリアに近付いた時にEメールでアラートが発信されるように設定することも可能です。
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