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1)アクティビティセンサーとは何ですか?

アクティビティセンサーは、3方向(前後・左右・上下)の加速度を1秒間に4回計測します。取得されるデータの数値は、最小が0(加速度が一切計測されない)から最大で255(加速度の計測できる最大値)となります。GPS PLUS首輪の機能的な問題により取得された全てのデータをそのまま保存することができないため、データは一旦首輪内部で処理され、平均値のみが保存されます。ユーザはデータ取得のインターバル(64秒から896秒までで、8秒刻みの数値)と、各方向ごとのデータ処理設定をそれぞれ決定するモードを選択できます。データは首輪内部のメモリに保存されており、ダウンロードにはUHF無線通信または有線接続を使用します。ソフトウェアGPS PLUS Xを利用すると、取得したアクティビティデータを分析して対象動物の行動パターンや修正を読み解くことが可能になります。

アクティビティセンサーは、対象動物の活動量と健康状態を測定するのに用いられる他、データ出力や首輪の稼働時間を効率的に活用するために設定される特殊なGPS測位スケジュールを起動するトリガーとしても利用されます。

あらかじめ設定した時間動きが計測されなかった場合は、モータリティセンサーにより対象動物の死亡が認定されてモータリティイベントが発生し、GPS測位を連続して数回実行した後でモータリティメッセージを発信します(※設定によります)。ビーコンもダブルパルスに切り替わり、設定にかかわらず24時間発信し続けます。これによりユーザーは対象動物の死亡を知り、現地へ行って死亡原因を調査し首輪を回収することができます。


2)アクティビティセンサーはどういう目的で使えばいいですか?

アクティビティデータには、さまざまな活用方法があります。対象動物の習性を詳細に観察することができますし、GPS測位と組み合わせることによって調査期間を短縮するのにも役立ちます。以下に具体的な活用例を紹介します。

  • 個体の活動の徹底調査:性質の異なる行動を識別して、個体がその時間に行った動作を正確に記録します。この情報とGPSデータとを合わせることで、個体の日々の活動の全容を描き出すことができます。
  • 1日を通したアクティビティパターンの収集:休憩時間や最も活発になる時間など、日々の活動パターンの規則性を確認します。
  • 季節ごとのアクティビティパターンの収集:活動周期やパターン、活動量などが季節ごとにどのように変わるかを調べます。
  • 個体の健康状態の観察:通常の活動パターンからは逸脱した行動を見つけ、動物福祉の観点から研究期間が狩猟の解禁期や暑さでストレスを受ける時期でないかを調べるために、機能的共益度(DFC)を算出します。

ソフトウェアGPS PLUS XまたはActivity Patternを使用すると、アクティビティデータの分析を行うことができます。


3)アクティビティデータはどうやって分析すればいいですか?

ソフトウェアGPS PLUS Xを使用するか、さらに詳しい分析を行うにはActivity Patternをご利用ください。ソフトウェアは首輪の納品時に同梱されていたCD-ROMまたはメーカーのウェブサイトから無料でダウンロードすることができます。Activity Patternではアクティビティデータをグラフ化(アクトグラム)するだけではなく、活動時間と休止時間、活動リズムなどの計算を行うこともできます。


4)アクティビティモードの違いは何ですか?

アクティビティはご使用の首輪のタイプとファームウェアのバージョンによって、異なる測定モードで利用することができます。モードは、データ取得のインターバルの長さと、加速度を測定する方向と、生データの処理に利用されるパラメーターによって変わります。

モード1(標準のモード)

X軸とY軸の加速度を296秒間隔で保存します。データ上は300秒間隔に補正されます。

モード4

累積されたアクティビティデータを既定の間隔で保存します。測定間隔は8秒単位で設定することができます。

モード5

このモードでは2つのパラメータを2チャンネルで保存します。

  1. Head Angle / Head up:1回の測定間隔の中で、頭部を規定の角度以上に垂直軸方向へ動かした時のX軸の比率
  2. Acceleration:1回の測定間隔の中で、規定の閾値以上の加速度で動いた場合の3軸を合わせた比率
モード6

このモードでは2つのパラメータを2チャンネルで保存します。

  1. 1回の測定間隔の中で、3軸全てにおいて加速度が最も高かった時の測定値
  2. 1回の測定間隔の中で、3軸全てにおいてアクティビティの既定の閾値を上回った時、または下回った時の加速度の比率
モード7

X軸とZ軸において、あらかじめ設定したインターバルで計測します。インターバルは8秒単位で設定することができます。


5)どのモードを使えばいいか分かりません。

モードの選択は非常に重要です。首輪を回収した後からモードの変更を行うと、首輪内部に保存されていたその時点までのアクティビティデータが全て消去されますので、首輪の装着前によく考えてモードを設定するようにしてください。

モード1〜4:一般的には、長いインターバルでデータを取得するより短いインターバルにした方がより有益な情報を得られる確率が高いと言えます。インターバルを長くすると、活動的になっている時と休息時が混在したデータの平均値が保存される可能性があり、結果不正確なデータになる怖れがあります。

モード5:非常に限定された動きだけを測定するためのモードで、食事や狩りなどの特定の行動を観察するのに役立ちます。ある種の動物、たとえばオオカミなどは首が短く動作も大きくないため、このモードを使ってもあまり良いデータは得られないかもしれません。

モード6:モード5の場合と同じく、限定された動きを観察するためのモードです。得られるデータが研究内容に確実に役立つことが分かっている時にのみ選択するようにしてください。

首輪内部には限られた容量のメモリしか搭載されておらず、調査期間中に何度かデータのダウンロードを行うことができ、なおかつそのデータをあとで統合することができない場合は、調査期間終了までそのメモリ内だけを使ってデータを保存するしかありません。標準となるモードは1です。このモードでインターバルを短くすると非常に有効なデータを測定できる可能性が高くなり、またインターバルを長くすると調査期間中利用するのに十分なメモリ容量を確保することができます。

64秒間隔の場合=メモリ容量233日分
128秒間隔の場合=メモリ容量4466日分
244秒間隔の場合=メモリ容量932日分
296秒間隔の場合=メモリ容量1077日分


6)閾値をいくつに設定すればいいか分かりません。

対象動物に合致した閾値を正しく設定することは大変重要で、かつ非常に難しい作業になります。最悪の場合、間違った閾値を設定したことによって、まったく使えないデータしか取得できないという事態が発生する可能性もあります。最善策としては、まず実際の研究期間の前にテスト期間を作り閾値を適当に設定した上で、観察した動物の動作と取得できたデータを比較して値を調節し、正しい閾値を模索する方法があります。アクティビティの設定を変更すると、それまで保存していたアクティビティデータは全て消去されますので、ご注意ください。


6)アクティビティデータは衛星通信で取得できますか?

アクティビティデータはデータサイズが非常に大きいため、衛星通信ではダウンロードすることができません。データはUHF無線通信またはLinkManager2による有線接続でのみダウンロードすることができます。これらの方法が利用できない場合は、販売店まで首輪をお送りください。アクティビティデータを取り出して、メールに添付してお送りします。


6)アクティビティセンサーを使うことで、首輪のバッテリ寿命や測位データの信頼性に影響がありますか?

アクティビティセンサーの動作に使用されるバッテリ量は無視できる程度でしか無いため、基本的には首輪のバッテリ寿命には影響を与えません。しかしバッテリ容量の少ない首輪(1Cまたは1D)に関しては、GPS測位回数をできる限り増やすために、アクティビティセンサー用のスケジュールを別に設定しておくことを推奨します。また、アクティビティセンサー関係の電子部品はしっかりと密閉されているため、他のセンサー(GPS測位等)には一切影響しません。


6)アクティビティセンサーで取得した生データの保存はできますか?

2015年の夏以前に販売されたGPS Plus首輪については、生データの保存はできません。2015年夏以降に販売されたVERTEX Plus首輪については新しいアクティビティセンサーが搭載されているため、生データの保存が可能です。

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