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位置情報(GPS)

首輪に搭載されたGPSで使用される測地系はWGS84です。位置情報は日時、緯度経度、標高、DOP、2D/3D、3Dナビゲーションの有効または無効、使用衛星数、衛星番号、CN比、メインバッテリーおよびVHFビーコン用バッテリーの残容量、気温といった情報とともに記録されます。

ユーザーはGPS位置情報の取得について、一定の時間間隔によって取得するか1日の中で時刻を決めて取得するかを選択できる他、いつでも好きな時にUHF/VHF無線通信やGSMやイリジウムの衛星通信によって新しい取得条件をアップロードできるなど、非常に柔軟性の高いスケジュールを設定できます。さらに「仮想フェンス」と「接近感知センサー」というオプションを使用すれば、任意のフィールドに装着動物が入った時や他の動物に近付いた時などにGPSスケジュールを専用のスケジュールに変更することも可能です。

GPSスケジュールの設定には、以下の3種類の方法があります。

  • Cyclic Rule:開始日と終了日と、1日のうちの測位間隔(時間)を設定することで、その期間内の設定間隔ごとに毎日測位し続けます。測位間隔は1日ごとにリセットされます(例:7時間ごとに設定した場合、毎日0時、7時、14時、21時に測位する)。
  • Discret Rule:開始日と終了日と、個別の測位時刻を設定することで、その期間内の設定時刻ごとに毎日測位し続けます。
  • Rollover Rule:開始日時と終了日時と測位間隔を設定することで、1日ごとにリセットされることなく、常に一定の測位間隔で終了日時まで測位し続けます(例:開始日の0時から7時間ごとに設定した場合、0時、7時、14時、21時、翌日の4時、11時...と日を跨いで7時間ごとに測位する)。

アクティビティセンサー(旧型)

GPS測位による位置情報の取得は動物の移動に関する行動調査には有効ですが、しかし以下のような2つの大きな問題点があります。

  • 特に小型の動物の場合にGPS測位スケジュールの時間間隔が長いと、行動範囲が狭いために、移動している時と休息している時の違いがデータ上ではっきりと分かりません。
  • GPS測位の結果が、短い間隔で測位したとしても完全に同じ位置には定まることがないため、動物が休憩している時でもデータ上は動き回っているように見える場合があります。

首輪に組み込まれている3軸の加速度センサーが装着した個体の動きを正確に捉え、動物の習性を知るための手がかりとなります。

加速度は3軸方向で連続して測定され、X軸とY軸の値は、平均活動量、ユーザー定義値以上の活動率、ユーザー定義値以上のヘッドアングル(傾斜センサー)のいずれかのデータとして記録されます。それらの値はユーザーが設定した64秒から896秒(およそ1分から15分)までの間の時間間隔でメモリーに保存されます。

アクティビティデータは、VERTEX Plus首輪専用USBケーブルを使った有線接続か、UHF無線通信でダウンロードできます。また分析のために、データセットはテキストファイルにエクスポートすることが可能です。

メーカーの提供するフリーのソフトウェアActivity Patternを使用すると、簡単にアクティビティデータにアクセスすることができます。実際の研究者とともに開発されたこのソフトウェアは現在行動生物学の分野で広く利用され、活動周期の調査の他、活動パターンの把握にも役立っています。

2015年夏以降に搭載されている新型のアクティビティセンサーについては、こちらをご覧ください。

利用例
  • 1日を通したアクティビティパターンの収集:休憩時間や最も活発になる時間など、日々の活動パターンの規則性を確認します。
  • 季節ごとのアクティビティパターンの収集:活動周期やパターン、活動量などが季節ごとにどのように変わるかを調べます。
  • 周期の特定:アクトグラムを使うことで、発情期や活動量が減少する時期など、活動周期に関する特定の期間を簡単に発見することができます。
  • 個体の健康状態の観察:通常の活動パターンからは逸脱した行動を見つけ、動物福祉の観点から研究期間が狩猟の解禁期や暑さでストレスを受ける時期でないかを調べるために、機能的共益度(DFC)を算出します。
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