UHF IDタグは同種間または異種間での関わりを研究するために作られた、小さくてバッテリ効率の良い安価なセンサーです。このIDタグはどんな種類の首輪にも取り付けることができ、さらにVERTEX Plus首輪と連携させることもできます。また、数種類のセンサーとVHFビーコン発信オプションを搭載することが可能です。それぞれのセンサーで取得したデータは、設定に従ってIDタグからVERTEX Plus首輪へUHF無線通信で転送され、首輪内部に保存されます。IDタグの最大通信距離は約130メートルですが、調査内容に合わせてその距離を調整することもできます。
離別感知センサーは動物の母子関係の研究用として開発されたセンサーですが、群れの中での力関係を調査するのにも利用可能です。VERTEX Plus首輪では、設定により最大8台までのIDタグを登録して、一定周期ごとに信号をモニタリングすることができます。1時間以上IDタグからの信号が受信できなくなった時点で、首輪は信号を受信できなくなったIDタグが「遠く離れた」と判断し、離別イベントを記録します。首輪に衛星通信オプションが搭載されている場合には、この時点で離別メッセージの送信も行います。IDタグから出力される信号には、ID番号だけではなく装着している個体の生死に関する情報も含まれています。個体が死亡すると、通信スケジュールに関わりなく自動的に首輪にその情報が送信されます。
IDタグでは離別感知センサーで以下の動作が行われます。
GPS首輪側では、以下の動作が行われます。
子鹿用首輪は、子鹿にUHF IDタグを装着させるために設計された首輪です。首輪は非常に軽く、何層にも重ねた弾力のある素材を絹糸で縫い止めて作られており、摩耗や時間、気候により糸がほどけて、重ねた部分が開いていく仕組みになっています。これにより、子鹿の成長とともに首のサイズが変わっても、首を締め付けることなく装着させ続けることができます。
接近感知センサーはUHF無線通信オプションを適用しているVERTEX Plus首輪の機能のひとつで、被捕食動物などに装着されたUHF IDタグから発信される信号を受信することで、以下のような動作を行います。
接近感知センサーを利用することで、同種間、異種間、捕食-被捕食動物間での調査で、「どの動物同士が」「どの時間帯に」「どれくらいの時間」接触(接近)するか知ることができます。